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インスト

パンデミック:イベリア

簡易ルール

ホビージャパン2016年10月日本語版・リミテッドコレクターズエディション。2〜5人の通常ゲーム、チャレンジ2種は対象外

2–5人45分難易度 3 / 5

19世紀のイベリア半島で、鉄道の敷設と水の浄化を進めながら4種類の疫病を研究する協力ゲーム。感染を抑えるだけでなく、研究用のカードと同色の病院をそろえることが勝利への鍵。独立した基本箱の通常ルールを収録し、患者の流入・歴史上の疫病チャレンジは含みません。

01

この遠征の目的と、先に知っておく勝敗

私たちは19世紀のイベリア半島を巡る調査隊です。全員で相談し、青・黄・黒・赤の4種類の疫病をすべて研究できれば、その瞬間に全員で勝利します。研究とは、同じ色の都市カード5枚を、その色の病院で使うことです。病気を全部取り除く必要はありません。
逆に、感染があふれる『アウトブレイク』が合計8回起こる、必要な色の疫病コマをストックから置けなくなる、手番後に引くプレイヤーカード2枚が足りなくなる、このいずれかで全員敗北です。個人の点数や順位、同点処理はありません。今日は2〜5人の通常ゲームを遊びます。『患者の流入』『歴史上の疫病』のチャレンジカードは箱に戻します。

02

地図とカードを見分け、盤面を準備する

ボードを中央へ置きます。色のついた丸が都市、都市を結ぶ線が移動経路です。茶色の線で閉じられた一つの囲みを『地域』と呼びます。破線も地域の囲みには含みますが、山の絵や海岸線は境界ではありません。海上にも、線で閉じた地域があります。地図の都市から伸びる小さな矢印は実際の位置を示す飾りで、移動方向の制限ではありません。
4色各24個の疫病コマを色別ストックにし、病院4個、鉄道トークン20枚、浄化トークン14枚を脇に置きます。病院や鉄道は最初から盤上に置きません。アウトブレイクマーカーを0、感染率マーカーを一番左の2へ置き、4色の研究マーカーを研究表示の近くへ置きます。
カードは裏面で二つの山を区別します。感染カード48枚は、どの都市に疫病が増えるかを示します。これを混ぜ、3枚公開して各都市へその都市と同じ色の疫病コマを3個ずつ置きます。次の3枚には2個ずつ、さらに次の3枚には1個ずつ。合計9都市、18個です。この9枚は表向きの感染捨て札にします。残りは感染山札として裏向きに置きます。
もう一方のプレイヤーカードは、都市カード、特別な助けとなるイベント、感染を悪化させるエピデミックの3種類です。こちらには別の捨て札置き場を用意します。二つの捨て札を混ぜないでください。

03

人数別の手札、役割、山札の仕上げ

役割カード7枚を混ぜて1人1枚ずつ表向きに配り、その色のコマと参照カードを受け取ります。残りの役割とコマは使いません。役割の能力はあとで説明します。
プレイヤーカードからエピデミック6枚をいったん抜きます。イベント15枚を混ぜ、2人なら4枚、3人なら5枚、4人なら6枚、5人なら8枚を無作為に選び、都市カード48枚と混ぜます。選ばなかったイベントは今回使いません。ここから、2人なら1人4枚、3人なら3枚、4人か5人なら2枚を配ります。手札は全員が見られるよう表向きで置き、相談して構いません。
各自は自分の初期手札にある都市1つを選び、自分のコマをそこへ置きます。同じ都市での開始も可能です。手札が全部イベントだった人だけは好きな都市から始められます。看護師の人は、開始都市に接する地域1つへ専用の予防トークンを置きます。初期感染はすでに終えているので、このトークンで最初の配置を取り消しません。
今回は入門難度としてエピデミック4枚を使います。標準なら5枚、上級なら6枚です。配り終えた残りのプレイヤーカードを、採用したエピデミックの枚数と同じ数の、なるべく等しい大きさの束に分けます。各束にエピデミックを1枚入れて個別に混ぜ、小さい束が下になるよう重ねて裏向きのプレイヤー山札にします。全体を混ぜ直してはいけません。
配られた都市カードの建設年代を比べ、最も古い都市のカードを持つ人が最初です。紀元前の年代にも注意します。その後は左隣へ順番を渡します。開始都市を決めるために見たカードは捨てずに持っておきます。

04

手番は4アクション、2枚補充、感染の順

自分の手番は、まず最大4アクション、次にプレイヤーカードを2枚引く、最後に感染処理、の順です。4アクションは同じ行動を何回選んでも、別々の行動を組み合わせても構いません。使わない分は次へ持ち越せません。何をするかは相談しても、実行するのは今の手番の人です。
選べる通常行動は、馬車かボートで移動、鉄道で移動、船で移動、鉄道を敷設、病院を建設、治療、知識の共有、疫病の研究、水の浄化です。これから説明する行動はどれも1回につき1アクション。特に指定がなければ手札は使いません。

05

移動3種と鉄道の敷設

馬車かボートの移動は、現在地と線で直接つながる隣の都市へ1つ進みます。実線でも破線でもよく、手札は不要です。
鉄道移動は、置かれた鉄道トークンが途切れずつながる好きな都市まで、1アクションで移動します。通る都市数に制限はなく、こちらもカード不要です。鉄道を使わず、普通の1都市移動を選んでも構いません。
船の移動は、錨の印がある港から別の港へ移ります。行き先の都市と同じ色の都市カードを1枚捨ててください。行き先そのものの都市名でなくても、色が合えば使えます。港でない場所からは乗れず、港でない場所へも着けません。
鉄道の敷設は、現在地から伸びる実線1本へ鉄道トークンを1枚置きます。すでにある線へ重ねられず、破線には敷けません。ストック20枚を使い切ればそれ以上は敷けません。線路は全員が利用できますが、敷いたときに自分も一緒に移動するわけではありません。

06

治療、病院、カードを渡す方法

治療では、現在の都市から疫病コマを好きな色で1個取り、同色のストックへ戻します。1アクションで全部取るのではありません。病院がなくても治療できますし、病院を置くだけでコマが減ることもありません。
病院を建てるには、現在いる都市そのものの都市カードを1枚捨てます。その都市と同じ色の病院を置きます。病院は各色1個だけなので、すでに同色の病院が別都市にあれば、それを現在地へ移します。このゲームの病院は研究に必要な施設で、どの色の病院でも代用できるわけではありません。
『知識の共有』では、同じ都市にいる他の1人と、その都市そのもののカード1枚を受け渡しします。今の手番の人が渡すか受け取るかのどちらかで、相手の同意が必要です。単に色が同じだけの別都市カードは渡せず、離れた人とも通常は渡せません。2枚渡したければ2アクション。同じカードを渡すことが自動で他のカードとの交換になるわけでもありません。受け取った人の手札上限も、すぐ確認します。

07

研究と水の浄化

研究するには、病院のある都市へ行き、その病院と同じ色の都市カード5枚を自分の手札から一度に捨てます。その色の研究マーカーを研究済みの場所へ動かします。仲間の手札をその場で足すことはできないので、事前の知識共有が重要です。
研究しても、盤上のその色のコマは残り、以後も感染します。治療も通常は1アクション1個のままです。本作には、研究後にコマが一斉に消える処理や、その色が二度と出ない根絶はありません。研究が済んだ色の都市カードは、水の浄化に使いやすくなります。
水の浄化では、現在地に接する地域1つを選び、そこに浄化トークンを2枚まで置きます。費用は、その地域に接する都市の色に合う都市カード1枚です。都市名まで合う必要はありません。また、すでに研究済みの色なら、その色の都市カード1枚で、現在地に接するどの地域でも浄化できます。地域1つに置けるトークン数の上限はありませんが、ストックが空なら行えません。
浄化トークンのある地域に接する都市で、感染によって疫病コマが1個置かれそうになったら、代わりに浄化トークン1枚をストックへ戻します。これは省略できません。色は問わず、通常の感染、エピデミック、アウトブレイクで増えるコマにも有効です。複数の隣接地域にトークンがあれば、どこから使うかは今の手番の人が選びます。すでに置かれた疫病を除去するものではなく、次に増える1個を防ぐものです。同色3個の都市でも、トークンを1枚使えば4個目によるアウトブレイクを防げます。

08

補充とエピデミックを解決する

アクションを終えたら、プレイヤー山札の上から2枚をまとめて引きます。引く直前に山札が2枚未満なら、その時点で全員敗北です。捨て札を混ぜて補充はしません。
引いた中にエピデミックがあれば、手札にはせず、次の3段階を順に行います。まず感染率マーカーを1マス右へ進めます。数字が同じでも、マーカーは1マス進みます。次に、感染山札の一番下を1枚公開し、その都市へ、そのカードの色の疫病コマを3個追加します。ただし同色は1都市3個が上限です。もともと同色があれば3個まで置いたところでアウトブレイクが起き、4個目は置きません。浄化トークンはここでも1枚で追加1個を防ぎます。たとえば同色0個の都市に隣接する浄化トークンが2枚あれば、2枚を消費してコマは1個だけです。この感染カードは感染捨て札へ置きます。
最後に、感染捨て札だけをすべて混ぜ、残っている感染山札の上へ裏向きで載せます。感染山札全体を混ぜてはいけません。感染したばかりの都市が、すぐまた出てきやすくなる仕組みです。
2枚ともエピデミックなら、1枚目の3段階を最後まで解決してから、2枚目も同様に解決します。使ったエピデミックはゲームから除外し、代わりのカードは引きません。途中で必要な色のコマを置けなければ、その時点で敗北します。

09

手札上限、通常感染、アウトブレイク

手札は常に7枚までです。補充でエピデミックがあれば先にそれを解決し、7枚を超えた分は、好きなカードを捨てるかイベントを使って7枚以下にします。知識共有で他人の番に受け取った場合も、すぐ上限へ戻します。役割カードと参照カードは手札枚数に数えません。捨てたカードはいつでも全員が確認できます。
補充と上限確認の後は感染です。感染率マーカーの下の数字と同じ枚数だけ、感染山札の上を1枚ずつ公開して解決します。最初は2枚です。指定の都市へその色の疫病コマを1個置くか、隣接地域の浄化トークンを1枚消費して防ぎ、カードを感染捨て札へ置きます。1枚を最後まで処理してから次を公開します。
同じ色がすでに3個ある都市に、防げない4個目が来たら、4個目は置かずアウトブレイクです。アウトブレイクマーカーを1進め、その都市と線で直接つながるすべての都市に、あふれた色のコマを1個ずつ置きます。受ける都市自体の色には関係なく、破線のつながりにも広がります。浄化で防げる追加は防ぎます。
広がった先も同色3個なら、その都市でも連鎖アウトブレイクします。ただし、今の感染カード1枚の処理で一度あふれた都市には、同じ連鎖から再びコマを足しません。都市は色ごとに3個まで持てるので、青3個と赤2個が同居することはあります。8回目のアウトブレイク、または必要な色のコマ不足で即敗北です。感染を終えたら左隣の人の番になります。

10

イベントを使うタイミング

イベントは手札から使う特別なカードです。誰の手番でも持ち主が使用を決められ、アクションは消費しません。カードに書かれた特別な効果を実行したら、プレイヤー捨て札へ置きます。他人のコマを動かす効果は、その人の同意を得ます。イベントは都市カードではないため、研究の5枚や船の色合わせの費用にはできません。
ただし、カードを引いてからその効果を解決し終わるまでの割り込み使用はできません。たとえば感染カードを公開して、その都市があふれると分かってから看護師を移動させて防ぐことはできません。次の感染カードを公開する前なら使えます。2枚のエピデミックの間も、1枚目を完全に解決した後なら使用できます。
2アクションを増やす『One More Day』に相当するイベントは、今の手番のアクション段階だけで使います。『Second Chance』に相当するイベントで捨て札から都市カードを回収するのは、そのイベントを使った人で、対象はその人の現在地の都市カードです。日本語カードの名前は手元の本文で識別し、英語名と同じ訳語だとは仮定しません。

11

7種類の役割の特別ルール

役割の能力は通常ルールをその部分だけ上書きします。ここでは対応する英語名も添えて説明します。
農学者、Agronomistは、1アクションで隣接地域へ浄化トークン1枚を置けます。これは都市カード不要です。通常の水の浄化をしたときは、追加で1枚置けるため最大3枚です。使うトークンはストックから取ります。
看護師、Nurseは、自分の予防トークンに接する都市に疫病コマが追加されるのをすべて防ぎます。通常感染だけでなく、エピデミックやアウトブレイク、その引き金となる追加も防げます。予防トークンは使い捨てません。自分のコマがどの理由で動いても、直ちに新しい現在地に接する地域へ予防トークンを置き直します。
鉄道員、Railwaymanは、自分の手番に1度、鉄道敷設1アクションで、現在地から連続する実線2本に線路を置けます。また鉄道移動時には、出発都市にいる他のコマ1個を一緒に最終目的地へ連れていけます。途中で乗客を乗せたり下ろしたりはできません。
船乗り、Sailorは、港から港へ船で移動するときカードが不要です。合う色のカードを持っている必要もありません。出発都市にいる他のコマ1個を同乗させることもできます。
地方医師、Rural Doctorは、治療1アクションで、現在地のコマ1個に加え、現在地か、現在地に隣接する地域に接する別都市のコマ1個を追加で除去できます。2個は同じ色でなくても構いません。ただし、自分の都市から1個も取らず、離れた都市だけを治療することはできません。
王立科学者、Royal Academy Scientistは、水の浄化の費用を色を問わない任意の都市カード1枚で払えます。さらに1アクションでプレイヤー山札の上3枚を見て、好きな順に並べ直して上へ戻せます。
政治家、Politicianは、1アクションで、現在地の都市カードを持っていれば、どこにいる仲間にも渡せます。また1アクションで、自分の都市カード1枚とプレイヤー捨て札の都市カード1枚を交換できます。交換する2枚の少なくとも片方は自分の現在地のカードでなければいけません。これらの能力でカードを受け取った人にも7枚上限は適用します。

12

具体的に最初の4アクションを追ってみる

最初にAndorra la Vellaの都市カードを配られ、そこを開始都市にしたとしましょう。まだ線路はありません。1アクション目で、線で隣接するHuescaへ移動します。2アクション目は、HuescaからZaragozaへつながる実線に線路を1枚置きます。3アクション目でその線路を使いZaragozaへ移動し、4アクション目で同じ線路を使いHuescaへ戻ることができます。カードは1枚も使っていません。これは治療を優先するべきかとは別に、どの役割でも成立する合法な初手例です。
次の人も、同じ線路を利用できます。後の手番にHuesca、Zaragoza、Soria、Madridまで線路が続いていれば、HuescaからMadridまで1アクションで行けます。Madridに赤いコマが2個あるなら、通常の治療を2アクション行って1個ずつ除去し、残る1アクションを別行動に使えます。
研究の直前も追ってみます。赤の病院がある都市にいて、赤い都市カードを自分で5枚持っていれば、1アクションで5枚捨てて赤の研究が完了です。他の3色もすでに研究済みなら、補充と感染へは進まず、その瞬間に全員勝利です。赤いコマが盤上に残っていても構いません。

13

終わり方と、混同しやすい点の確認

まとめます。4色すべての研究が完成した瞬間に勝利し、感染後まで待ちません。8回目のアウトブレイク、追加が必要な色のストック不足、補充2枚不足では即敗北です。浄化や看護師の予防で追加自体を防げたコマを、置けないコマとして数える必要はありません。
勝利に必要なのはコマの全除去ではなく研究です。研究後も感染し、治療は通常1個だけ。病院建設は現在地そのもののカード、船は行き先の色、知識共有は双方が同じ都市にいてその都市のカード、水の浄化は地域にある都市の色か研究済みの色、と費用を区別してください。
エピデミックは感染山札の下から引き、捨て札だけ混ぜて上へ戻します。手札7枚上限は他人の番でも守ります。初期手札と採用イベント枚数の人数差は準備だけの変更で、手番の4アクション・2枚補充は全人数共通です。チャレンジ用の患者移動や病気別の追加能力は、今日の通常ゲームには加えません。